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築100年の古民家リノベーション事例:基礎・補強作業編
みなさん、こんにちは。コマツ建築工房の棟梁、小松です。
前回の解体作業に続いて、高根町の築100年古民家リノベーションプロジェクトの進捗をお伝えします。今回は基礎・補強作業の様子をご紹介します。
解体後の様子
解体を終えて骨組みだけになった建物がこちら。
一見、朽ちた骨組みだけのようにも見えますが、なかなかどうして。黒く煤けて見える木材もまだまだしっかりと建物を支えるだけの強度を持ったものが多くあります。
現状の課題
100年という歳月は、建物にもさまざまな影響を及ぼしていました。
- 基礎部分の沈下
- 一部木材の腐食
- 建物全体の水平バランスの崩れ
次の工程である「屋根」を作る前に、これらの課題をすべて片付けてしまいましょう。
まずは基礎のコンクリートを打つ前に土台部分を綺麗にします。
基礎・補強作業の流れ
1. 水平出し作業
建物全体の水平を正確に測り、一度持ち上げて調整します。これは非常に繊細な作業で、家一軒すべての水平を図りながら進めていきます。
2. 木材の補強と交換
腐食している部分はすべて新しい木材に交換し、さらに補強が必要な箇所は入念にチェックして対応。最後に垂木での固定によるサイドのズレを防止します。
3. 基礎の再構築
建物の傾き、水平を戻したところで、石場建ての基礎をすべて取り除き新たにコンクリート基礎を打設します。これにより、現代の耐震基準を満たす強固な土台を作ります。
真夏の作業現場から
このプロジェクトは真夏に行われました。北杜市の山間部とはいえ、予想以上の暑さとの戦いでした。そんな中でも、弊社の先代も暑い中を毎日作業に参加してくださり、世代を超えた技術の継承を実感する日々です。
これからの展望
基礎・補強作業は、この家の未来を左右する重要な工程です。
伝統的な要素を活かしながら、現代の安全基準を満たす。その両立は簡単ではありませんが、だからこそやりがいを感じます。
古き良きものを残しつつ、新しい技術を取り入れる。その調和の中に、これからの100年の暮らしを支える確かな土台が生まれていくのです。
次回は、いよいよ新しい屋根を組み上げていく様子をお伝えする予定です。
どうぞお楽しみに。