リフォームのことなら熟練大工の工務店 コマツ建築工房へ / 山梨県甲斐市
20年以上前に作られたウッドデッキと渡り廊下を全面再生しました

山梨県北杜市小淵沢・中村様邸のウッドデッキと渡り廊下の再生工事をご紹介します。
こちらは、以前からお付き合いのあった設計士さんのご主人がこだわってつくられた建物で、本来ならご自身で修理されるはずでした。
しかし修理されないままご主人が亡くなられてしまい、奥様から「このままでは危ないので…」とご相談をいただいたのが始まりです。
実は以前に、郵便配達の方が階段を踏み抜いてしまう出来事があり、それ以来デッキは“怖くて使えない場所”になっていました。
Before:崩壊寸前の状態でした
ウッドデッキは母屋の2Fと離れの建物の2階をつなく3m弱の高い場所に設置されています。


母屋と離れをつなぐ渡り廊下は、木に寄りかかって“かろうじて存在している”という危険な状態。


ウッドデッキ全体も、根太・大引・手すりまで腐食が広がり、踏めば抜けそうな状態。(階段は実際に抜けてしまっています)






ご主人が大切にされていたベンチも床が抜けて落ちてしまいそうです。

生前お世話になったご主人の顔が浮かび「これはしっかり直して差し上げたい」そう感じた瞬間です。
解体と同時に“使える古材”を探す
解体を進めながら、状態の良い古材を選別し、離れ側のデッキとして再利用しました。

“使える木は生かす”というのは、コマツ建築工房の大切にしている姿勢のひとつです。
新しい骨組みはオール檜。息子・父と三世代で挑んだ現場
今回の現場では、修行に出ている息子を呼び寄せ
私(現棟梁)・先代・息子(次期棟梁)の三人が揃う、初めての現場になりました。


三世代そろって同じ建物をつくるというのは、家業として本当に特別で、ありがたい経験でした。
柱や梁はすべて檜。
耐久性を考え、太めの材をしっかり組んでいきます。



階段は前より広く、上がりやすい形へ
既存の階段は踏板が折れてしまったほど弱っていました。


今回は檜の“厚さ6cm”の材料で新しく制作。
広くしても“しならない階段”になるよう、内部の補強をしっかり入れています。
渡り廊下は人工木材で長寿命化
ウッドデッキ部分の床板は米杉ですが、渡り廊下は雪がたまって痛みやすい場所。
そのため、ここだけ人工木材に変更しました。


変色・腐食がほとんどないので、長い目で見ても安心です。
水を回さないためのシーリング処理
床材の継ぎ目や柱との取り合いは、前回のデッキが腐っていた原因のひとつ。
今回は“水が入らないこと”を徹底しました。


こうした見えない部分の仕事が、10年後・20年後の差になります。
玄関はビニールカーテンから木製引き戸へ
1Fの玄関手前には、風よけにビニールカーテンが設置されていました。
このカーテンを撤去し、木製の三本引き戸を建具で製作しました。


新しい風よけは三枚引けの扉。大きく開き、上吊り式で動きも軽い。
玄関まわりの雰囲気も一気に良くなりました。
完成:安心して歩ける渡り廊下と、広く明るいウッドデッキへ






母屋と離れが再び“安全に”つながる動線に戻り、
奥様にもとても喜んでいただけました。
余った檜で、サービスで小さな台も制作しました。

落ちそうだったベンチも綺麗に修正しました。
ご主人も喜んでくれているでしょうか。
生前お世話になった恩返しが少しでもできたのなら嬉しいです。

最後に―中村様へ
中村様、長年手が入れられず不安のあったデッキと渡り廊下を、再び安心して使える形に戻すお手伝いができて本当に良かったです。
そして今回、三世代そろってひとつの現場を仕上げるという
私たちにとっても特別な経験をさせていただきました。
これからも、何かありましたらいつでもご相談ください。
また三人で伺います。