リフォームのことなら熟練大工の工務店 コマツ建築工房へ / 山梨県甲斐市
築100年の古民家リノベーション事例:家屋解体編
みなさん、こんにちは。コマツ建築工房です。
今回は、山梨県高根町で進行中の「築100年の改修工事」についてお話しします。
古民家リノベーションの醍醐味を、第一弾の家屋解体編としてお伝えします。
プロジェクトの背景
この家は、築100年を超える由緒ある日本家屋。
施主様のお母さんの実家で、幼少期の思い出が詰まった大切な場所だそうです。長年使われていませんでしたが、何としても残したいという強い思いから、古民家リノベーションプロジェクトがスタートしました。
まずは古民家の外観をご覧ください。
実に立派で堂々とした佇まい。
「まんが日本昔話」にそのまま出てきそうな日本の伝統家屋。
今回の目標は、伝統的な日本家屋をモダン化し、畑仕事の合間に利用できる快適な別荘にすること。古材を活用しながら、新しい要素を融合させた温かみのある空間を目指します。
解体作業のスタート:茅葺屋根との格闘
リノベーションの第一歩は解体作業。まずは特徴的な茅葺屋根の解体から始めました。
茅葺屋根リフォームの難しさ
茅葺屋根の解体は、予想以上に骨の折れる作業でした。急勾配の屋根に、伝統的な竹編み構造。さらに、茅の中には長年の煤(すす)が堆積していて、作業中はみるみる体が真っ黒に。
上の写真は南側斜面の茅葺屋根を除去した状態。まだこれから北側半分が残っています。
リノベーション後は1Fと屋根裏部屋だけの高さになりますので、茅葺きを除去したら不要となる屋根部分の骨組みはほぼ撤去します。足場もいつ崩れるかわかりませんので(汗)、慎重に慎重に作業を進めます。
まさに、古民家リノベーションならではの醍醐味を味わいました。
畳下の驚き
畳を剥がすと、下の部分が腐食で抜け落ちていました。これは想定外でしたが、古民家改修工事では珍しくない光景です。幸い、重要な骨組みは活かせそうなので、慎重に作業を進めています。
伝統工法との出会い:石場建ての基礎
さて、屋根の骨組みも撤去完了し、利用する骨組みだけを残しました。
ずいぶんと小さくスッキリしてしまいました、、、。
この家の基礎は、「石場建て」という伝統工法で造られていました。柱を直接石の上に置くシンプルな構造です。
100年の歳月で基礎が沈み、あちらこちらで水平が崩れていました。
これから基礎を持ち上げて水平を調整する予定です。古民家リノベーションでは、こうした伝統工法を現代の技術でどう補強するかが腕の見せどころです。
古材活用のリノベーション:驚きの木材の状態
解体して驚いたのは、木材の良好な状態です。予想を上回る7〜8割の木材が再利用可能そうです。
もちろん、腐食部分や補強が必要な箇所もあります。そういった部分は新しい木材に交換していきます。古材活用と現代の技術の融合。これこそが、古民家リノベーションの醍醐味といえるでしょう。
これからの展望:日本家屋のモダン化へ
これから少しずつ、この古民家に新しい命を吹き込んでいきます。伝統的な日本家屋の良さを残しつつ、現代の快適さを取り入れたモダンな空間に仕上げていく予定です。
途方に暮れる棟梁
手強い相手に胸の高まりを抑えられない棟梁。さぁ、ここからが腕の見せ所です。
古き良き日本家屋を現代に蘇らせる。それが古民家リノベーションの魅力です。同じように古民家の改修を考えている方々の参考になれば幸いです。
次回は、土台づくりですね。
基礎を持ち上げ、傾いた躯体の水平を正し、建物の基本となる基礎部分の補強作業についてお話しする予定です。
伝統と現代の技術がどう融合していくか、ぜひご期待ください。
それでは、また次回!