日本の気候・風土に合う理想の構造材は何か?

木を切る棟梁

木の特徴を知っていれば、業者との打ち合わせの際にも勧められたその木がどういったものか区別がつきます。 キチンと選定する目が生まれ、様々な提案を見比べることができるようにもなります。

木を知り、適材適所に素材を使うことで、本当に丈夫で長持ちする家作り可能になるのです。

木は家になっても生きている
だから日本の無垢を選ぶ

日本は昔から森林国であり、木を利用して暮らしてきた木の住人です。

それが近年、安価な外国産木材の輸入が増え、世界で3番目の木材輸入大国になりました。私は決して安価な外国産木材が悪いと言いたいわけではありません。もちろん素晴らしい外国産木材たくさんもあります。でも、集成材ではなく日本の無垢材を使いたいのにはしっかりとした理由があるからなのです。

それは、「無垢の木は切り倒されて家になった後でも生き続ける」ということです。

しっかりと呼吸しているのです。
日本の風土に慣れ親しみながら育った木は、非常に安定し長持ちするのですが、外国で生まれ育った木は日本の風土に合わず、割れや反りなどの狂いが起こりやすくなるのです。バイオリン・ピアノなどの木製楽器も外国へ持ち出すと音色が変わってしまうといいます。

昔から「地元で採れた木が一番いい」といわれる所以は、この風土への適応能力だったのです。

日本の気候・風土に合う理想の構造材

では、どの木をどこに使うのが良いのか?
コマツ建築工房が考える適材適所の一例をご紹介します。

土台に適した木

第1位 栗の木
なんと言っても土台は栗の木です。

栗の木

栗は腐りにくく、しかも虫も食べないほど硬い木です。日本では防腐剤を注入せずに無処理のまま枕木として使える唯一の木であり、昔の家の土台はほとんどが栗でした。

しかし一方では、ねじれが多く、加工しにくい為、土台に甘んじているという側面もあります。

第2位 桧
木の優等生と言われるのが桧。見た目良し、香り良し、耐久性良し。最高です。

檜

あの世界最古の木造建築物「法隆寺」も桧で作られています。その年月なんと1300年以上!すごいことです。それほど桧は素晴らしい耐久性をもった木材なのです。

第3位 桧葉(ヒバ)
昔から『ヒバ普請の家には蚊が3年近寄らない』と言われるほど虫に強い木として知られています。特にシロアリに対してめっぽう強い特性があります。

檜葉の木

これは殺菌性のあるフノキチオールの含有量が多いため。腐りにくく、虫に強く、水にも強い為、昔から土台として利用されています。

柱に適した木

第1位 桧
見た目の美しさではナンバーワンの桧。桧の中にも産地によって種類が異なり、吉野桧は節が無くその美しい淡いピンクで高級素材として知られており、木曽桧は日本間によく合います。

また、桧から発せられる精油分(あのさわやかな香のもと)には、虫を寄せ付けない成分や、気持ちを落ち着ける効果もあります。

第2位 杉
杉は全国各地に広く分布し、中でも吉野杉、北山杉、秋田杉などが有名です。

杉

杉には節が無く通直で、目が細かく、年輪が均一、優美な色と香りなど、非常に美しい木目が特徴です。良い杉が多く採れる東北地方では今でも家作りには杉が多く使われています。

第3位 桧葉(ヒバ)
年輪幅が細かく美しい木目を持つ桧葉の木は柱にも利用できます。
香り成分のヒノキチオールを豊富に含むヒバは、精油がつくられるほどのリラックス効果や抗菌作用があるため、ヒノキにはない特徴を持つ優秀な柱材なんです。

桁(けた)に適した木

第1位 杉
長さと剛性など構造上の性能と併せて、見た目の美しさも良い杉が桁にはぴったりです。桁を隠してしまうケースもありますが、良い杉を使った桁はむき出しにして、その無垢の杉の上質な質感を味わうのもなんとも贅沢です。

第2位 桧
桧は日本建築の万能木です。
土台、柱、桁と場所を問わずに優秀な建築材として活躍してくれます。

第3位 米松
輸入材ですが、近年無くてはならない建材として利用されています。

米松

安価な割に大径の物が多く、木質は硬く加工しやすいのが特徴です。しかし、木目が日本の木材よりも荒い為、内装材としては不向きです。

日本の気候には、桧・杉が良い

やはり日本の住宅には、日本の風土で育った桧・杉が最高の建築材ではないかと私は思っています。

安価な合板類は高温多湿の日本では長い年月、家を良い状態に保たせておく事は難しいと思われます。それに比べて日本材は切るまでの年数分以上は生き続けるといいます。 つまり100年の樹齢の木ならば110年~120年は使えるわけです。

木の特性を知り、施主様の好みに合わせた素材を適材適所に使い、家作りを存分に楽しんでもらえればと思っています。