南アルプス市にお住まいの名執様の新築工事です。以前に弊社で建てたお宅をご覧いただき、ご依頼いただきました。

名執様のお宅には、コマツ建築工房がこだわる「街中の別荘」というコンセプトを実現させるための「ある工夫」がなされています。施主様にもご協力いただいたその「工夫」をこれからご紹介したいと思います。

1m低く設計した理由は見た目の美しさです。
高さを抑え、重心を低くすることで別荘のようなスタイリッシュな外観を実現しました。同じ間取りでも、あと1m高くなると外観のバランスが崩れ、見た目の印象が大きく変わってしまいます。

高さを抑えることで壁の面積や木材の数を減らすことができ、コストの削減になります。1mといえども家一周分の木材・壁材などを考えるとその削減効果は馬鹿にはなりません。 また、階段の段数を減らせるので広く、ゆったりとした階段を作ることもできました。

一方でデメリットもあります。
それは天井裏を広く取れないことで配線などは建築時の一発勝負になってしまうことです。(最近は天井裏に入って配線工事ということもほっとんどないと思いますが、、、)
ですので、メリットとデメリットを施主様にご理解いただいた上で、高さを抑え、安定感とスタイリッシュさを優先させることになりました。

建物を低くすることで心配になるのが「圧迫感を感じないのか？」ということでしょう。一階部分で30cm、2階では70cmも通常の建物より天井が低くなるわけですから不安ですよね。でも心配は無用です！そのための対策をきちんと施しています。

こちらは1階のリビングですが、吹き抜けを作ることで天井を高くし、開放感ある空間を実現しています。言われなければ天井が低いことに気づく人はまずいないでしょう。

また屋根が南北に傾斜のついた片流れになっているため、高い南側に居住部分、低くなる北側に廊下など使用頻度の低い箇所を持ってくることで日常生活に支障のないよう設計段階から配慮しています。

さらにこの吹き抜けの天井には秘密がありまして、、、、

一見、屋根近くまで吹き抜けているように見えますが吹き抜けは2階の途中までで、吹き抜けの上には子供たちの「遊び部屋」を作りました。

子供たちの寝室兼、遊び場。友達が泊まりにきた時にはここでみんなで寝たりと、子供にとっては秘密基地のような場所です。

この部屋の奥と手前にはそれぞれ子供部屋があり、この部屋を介して子供が小さいうちはそれぞれの部屋を自由に行き来できるようにしてあります。
子供が成長して個室が欲しくなったらこの部屋を中央で仕切って、それぞれ個室として利用する予定です。

2階の廊下には本好きなご主人のために蔵書がたっぷりと収納できる本棚とテーブルを製作しました。椅子を置けばここで読書もできるスペース。ライフスタイルに合わせた空間作りができるのも自由設計の醍醐味です。

最近は一部屋を丸ごとクローゼットとして利用する「ファミリークローゼット」が人気です。冬物や夏物など季節の衣替えの際に荷物を移動する手間も省けますし、衣類を一箇所にまとめることで収納も効率的にできます。